たんぱく質は、筋肉はもちろんですが、臓器やホルモン、酵素の材料になるなど、
私たちも体を構成する上で欠かせない栄養素です。
そして、そのたんぱく質には「動物性たんぱく質」と「植物性たんぱく質」が存在します。
今回は、この2種類のたんぱく質にはどのような違いがあるのかを説明してまいります。
たんぱく質が分解された最小の単位をアミノ酸と言います。
たんぱく質はこのアミノ酸が結合してできています。
このアミノ酸は約20種あり、そのうち9種は体内で合成されないため、
食べ物から摂らなくてはいけません。これらを必須アミノ酸といいます。
動物性たんぱく質と植物性たんぱく質の最大の違いは、この必須アミノ酸のバランスにあるのです。
必須アミノ酸のバランスは「アミノ酸スコア」という点数で評価され、
点数が高いほどいわゆる「良質なたんぱく質」であるとされます。
動物性たんぱく質は全体的にこのスコアが非常に高く、
このことはたんぱく質源として優れていることを意味しています。
代表的な動物性たんぱく質である、肉類、卵、魚類などはアミノ酸スコア100の食物です。
それに比べて植物性たんぱく質は、最も高いものでも大豆の86で、ジャガイモが68、
精白米は65といったように決して高いスコアとはいえません。
では、動物性たんぱく質の方が圧倒的に良質な感じがしますが一概にそうとも言い切れません。
肉類などの動物性たんぱく質ばかり摂っていると、
脂質などの余分なエネルギーまで摂ってしまう恐れがあります。
現在日本では生活習慣病が増え続けていますが、
その原因の一つに肉類の摂取量の増加があると考えられています。
それに対して植物性たんぱく質は、脂質などがほとんど含まれていないので、
余分なエネルギーを抑えてたんぱく質を摂ることができます。
また植物性たんぱく質では大豆に含まれるイソフラボンが、女性ホルモンに似た働きをするため、
肌がきれいになるなど、女性にとって嬉しい作用があるとされています。
このように動物性たんぱく質と植物性もたんぱく質の違いの一面をご紹介しましたが、
摂取をすることを考えると、バランスを心がけることが最良かと思われます。