「筋トレは風呂上がりにするべき?それともお風呂に入る前?」という質問をいただくことがあります。確かにお悩みになる方も少なくないでしょう。しかし答えはズバリ!筋トレをするタイミングは入浴やお風呂前がおすすめです。今回は入浴やお風呂と筋トレの関係について解説いたします。
- 目次
- ・お風呂や入浴における3つの特徴
- ・筋トレをするならお風呂や入浴前がおすすめ
- ・疲労回復のためのお風呂
- ・お風呂や入浴で筋肉が増える?!ヒートショックプロテインとは?
- ・お風呂上りにおすすめのエクササイズ
- ・まとめ
お風呂や入浴における3つの特徴
トレーニングや運動で汗をかいた後は、「ゆっくりとお風呂やサウナに入って疲れを癒したい」と考える方は多いと思います。入浴には、運動後の疲労回復に重要な食事と睡眠を、血流促進という面でサポートし、より疲労回復の効率を高める効果があります。入浴の特徴には、浮力・水圧・温熱の3つがあり、それぞれ次のような働きをしています。
特徴①浮力
浮力は、お風呂に入ると体が浮いて軽くなる現象で体感できるように、筋肉を弛緩させ、脳への刺激を減らすことにより、心と体をリラックスさせる効果があります。
特徴②水圧
水圧についてですが、人が水中に潜ると、体は相当の水圧を受けます。この水圧により腹部が圧迫され、横隔膜が上に押し上げられて肺の活動が約9%減少します。それによって呼吸が頻繁になり、心臓の動きが活発化し血流を促します。
特徴③温熱
温熱は、体を温めることで血流を促進します。ぬるめ(38〜40℃)の場合、副交感神経が優位になるため血管が拡張して血流が促進され、リラックス状態に導きます。反対に熱め(41℃〜)の場合、直後の温まり感は強いですが、実際には交感神経が優位になるため血管が収縮し、血流が抑制され、適度な緊張により心と体を活性化します。
浮力と水圧はお風呂に入るだけでできるケアですが、温熱だけは、目的に合わせて温度コントロールが必要です。筋トレや運動による疲労を早くリカバリーしたいなら、食事で摂取した栄養を体中に行き渡らせ、また疲労物質を除去するための血流促進が大切ですので、ぬるめのお湯に15分ほど入って血流を促進させるのが良いでしょう 。
筋トレをするならお風呂や入浴前がおすすめ
お風呂にゆっくり浸かったあとの筋肉はリラックスして緩んだ状態。活発な活動を促す交感神経ではなく、休息を促す副交感神経が優位になっている状態でもあるのでトレーニングに適したコンディションではありません。
反対に筋トレ後に体が熱を持ったままお風呂に入れば、身体の内側からも外側からも身体が温まります。筋トレをして代謝が上がっている状態で入浴すると汗もしっかり出てきてくれるので、お風呂や入浴によるデトックス効果が期待できます。
疲労回復のためのお風呂
入浴は疲労回復のための重要な役割を担っているため、プロのアスリートなどは入浴の効果に注目し、冷水浴や流水浴、温冷浴など、目的に合わせたメンテナンスを行っています。
温冷浴とは、お風呂で温まったら、冷たいシャワーをさっとかけて冷やし、またお風呂で温まる。これを2~3回繰り返すことで、体が自力で温めようとする力を呼び起こすのです。水とお湯を体に交互に与えることで全身にある毛細血管が収縮・拡大し、血液の循環を促進させます。サウナと水風呂を交互に出入りすることも、同じ効果が期待できます。また、水を体にかけることで、交感神経を刺激し、温かいお湯により、副交感神経を刺激することで自律神経のバランスを保ち、健康を増進させてくれるのでコンディショニング面においても効果的です。運動の後、汗を流すためにシャワーを浴びて、入浴はしない…という方も多いようですが、回復を促し、ひいてはパフォーマンスを上げるためのサポートとして、入浴の効果を取り入れてみてはいかがでしょうか。
お風呂や入浴で筋肉が増える?!ヒートショックプロテインとは?
最近の研究では、少し熱めの40~42℃の温度の入浴で10分~20分温めると、「ヒートショックプロテイン(HSP)」という物質が筋肉中でつくられることがわかっています。ヒートショックプロテインとは、ストレスで傷ついた細胞を修復し、元気にするたんぱく質のこと。「体は“ストレス”と感じるが、細胞が死ぬほどではないマイルドなストレスを与えることで、体内のHSPが増え、傷や病気が治りやすくなったり、低体温体質が改善したりなど、様々な健康増進作用があることがわかってきています。
お風呂上りにおすすめのエクササイズ
お風呂上りには、筋トレよりもストレッチを行うのがおすすめです。入浴後は体が温まっていて、体が硬い方でもストレッチしやすくなっています。ストレッチは、体の柔軟性を高めるだけでなく、冷えやむくみ、姿勢の改善にも役立ってくれます。就寝前に行えば、リラックスできるので、安眠効果も期待できますよ。例えば、開脚やランジストレッチ、両手を上にのばして組み、サイドに倒すことで、脇腹をのばすようなストレッチもおすすめです。脚や腰、お尻やウエストのサイド、肩甲骨などを動かしてほぐすようなストレッチを行ってみましょう!
まとめ
お風呂上りや入浴後は体が温まり、筋肉がほぐれ可動域が広がるので筋トレよりはストレッチなどで筋肉をほぐす方がおすすめです。凝り固まった筋肉を柔らかくすることで血流も改善されて疲労回復効果も期待できます。お風呂前には筋トレ。入浴後はストレッチをおすすめします。
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